2023年度表彰
第18回学術集会において2023年度の表彰を行いましたので、お知らせします。(以下敬称略)
第9回 上原鳴夫記念研究奨励賞
優秀賞 小宮 顕 インシデント報告された尿道カテーテル留置に伴う尿道損傷と院内教育による改善効果
若手奨励賞 根本 敬 本邦におけるエイデット(AIDET®)の序章−外来待ち時間に関するクレーム低減化をめざして−
優秀英文論文賞 比良野 圭太 Impact of a continuous quality improvement program on contrast-induced nephropathy
in outpatients with chronic kidney disease:an interrupted time-series study
【総評】
上原鳴夫記念研究奨励賞は、今年で第9回目を迎えました。
最優秀賞、優秀賞、若手奨励賞は、当学会の学会誌に原著論文として掲載された研究が選考の対象となりましたが、今回は13の論文が候補となりました。
論文の新規性、学術的重要性、臨床的発展性、論旨の明快さ等を審査の基準として審査し、小宮顕氏の「インシデント報告された尿道カテーテル留置に伴う尿道損傷と院内教育による改善効果」が優秀賞に、根本敬氏の「本邦におけるエイデット(AIDET®)の序章−外来待ち時間に関するクレーム低減化をめざして−」が若手奨励賞に選ばれました。
いずれも臨床での応用可能性が期待できる論文であると高い評価を得ました。
優秀英文論文賞は、過去1年間に国内外の英文誌に本学会正会員が発表した論文で、代議員から推薦された論文が審査の対象となりますが、今回は8編の論文が審査対象となりました。
選考に際しては、学術委員以外に2名の審査員を追加し審査を行いました。
その結果、比良野圭太氏の「Impact of a continuous quality improvement program on contrast-induced nephropathy in outpatients with chronic kidney disease: an interrupted time-series study」が選出され、これも日本語論文同様、臨床での応用発展性が期待できる論文である点が高く評価され、選出されることになりました。
さらに、国際学会発表支援費の選考も行いましたが、今回は該当者なしという結果になりました。
総評としては、全般的に論文の質が高く、いずれも医療の質の向上に寄与することが期待できる研究でした。
今後もこの上原鳴夫記念研究奨励賞を研究の励みをしていただけることを願っております。
ベストプラクティス賞
最優秀賞 井上 稚枝子 地域を巻き込んだ周術期における患者主体の安全な薬剤管理を推進する活動
~周術期お役立ちツール普及活動がもたらす医療の質向上~
優秀賞 大倉 正樹 放射線室における医療安全の取り組み
優秀賞 勝亦 秀樹 医療安全部門の動画作成による患者参加支援への取組み
特別賞 鈴木 慶介 与薬者の判断による粉砕不適薬剤の粉砕を未然に回避するための多職種連携の取組み
【総評】
2023年度のベストプラクティス賞(BP賞)は、ポスター発表(計219演題)のうち、活動報告として登録された181演題を対象として選考がおこなわれました。
まず選考対象の演題が含まれる28のセッションの座長の方に、有効性、適用可能性、 独創性を基準として、予備審査をお願いしました。
本年度は演題数が多いため、本年度学術集会のテーマである「チーム、多様性」に基づいた方法として、2つのセッションの座長で相談をして1演題ずつ、計14演題を本審査での最優秀賞と優秀賞の候補として選出して頂きました。
本審査では、9人の審査委員(医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師の多職種医療従事者)によって、予備審査で推薦された14演題の中から最優秀賞1演題と優秀賞2演題を選出しました。
また本年度の特別賞については、181演題すべてを対象として特色のある演題を選ぶという方針に基づいて検討をおこない、1演題を選出しました。
本年度の「最優秀賞」に選ばれた「地域を巻き込んだ周術期における患者主体の安全な薬剤管理を推進する活動~周術期お役立ちツール普及活動がもたらす医療の質向上~」は、地域の薬剤師主導で多職種を巻き込んだ取り組みが実践され、全国展開が期待されることが高く評価されました。
「優秀賞」に選ばれた「放射線室における医療安全の取り組み」は、放射線科常勤医師が不在の病院で診療放射線技師が異常所見を指摘する体制の有効性を示し、今後タスクシフト・タスクシェアの分野からもすばらしいと評価されました。
「優秀賞」に選ばれたもうひとつの演題「医療安全部門の動画作成による患者参加支援への取組み」は、隙間時間でも視聴しやすい3分を目安とした短編動画を作成しており、実践的な内容で有用性・独創性の高い動画コンテンツがつくられていると評価されました。
また、「特別賞」に選ばれた「与薬者の判断による粉砕不適薬剤の粉砕を未然に回避するための多職種連携の取組み」は、これまであまり調査されていなかった老健施設における医薬品の取り扱いの問題点を明らかにし、その有効な対策をたてて実践していることが評価されました。
本年度は発表が以前より多くなっており、それに伴い内容のレベルも高くなっていることが感じられました。
ベストプラクティス賞 審査委員長 原田 賢治
※ベストプラクティス賞については、こちらを御覧ください。
◆安全を支える技術展◆
選考委員会奨励賞 エア・ウォーター・メディカル株式会社 アラーム付き酸素流量調整器「カルミアG」
特別賞 テルモ株式会社 針刺し防止機構付留置針 「サーフローZERO™」
特別賞 株式会社メディカルプロジェクト 経鼻チューブ固定用テープ 「抜いちゃイカン(胃管)」
【総評】
選考委員会は医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師の多職種医療従事者に人間工学の専門家を加えた8名から構成され、エントリーされた12製品の企業ブースを各委員が訪れ、製品を直接見て担当者と質疑応答を重ね評価を行いました。
評価項目は「独創性」「安全性」「接続性」「技術力」「デザイン性」の5項目で、各項目5段階で得点をつけました。
今年「選考委員会奨励賞」に選ばれた「アラーム付き酸素流量調整器カルミアG」は、特別な動力源が不要で、構造的な工夫で残圧低下を知らせるアラームが鳴り、流量ダイヤルを中途半端な場所で止めても酸素が流れ続ける安全設計となっており、5項目すべてにおいて最高得点を得ました。
特別賞は、総点数が高い、または特定評価項目の点数が高い製品の中から、選考委員会において合議で選出しました。
「針刺し防止機構付留置針サーフローZERO™」は、針先端の加工における高い技術力が評価を得ました。
「経鼻チューブ固定用テープ抜いちゃイカン(胃管)」は、複数委員が自身に貼って固定性を検証し、多くの施設で直面している胃管事故抜去という問題解決への期待される寄与度が高く評価されました。
惜しくも選に漏れた製品にもそれぞれに優れた工夫が施されており、全体的にレベルの高い審査となりました。
安全を支える技術展 選考委員長 菊地 龍明
※安全を支える技術展については、こちらを御覧ください。