医療安全よもやま話
第20回:2024年 転換の時期? ー安宅 一晃ー
2024-02-09
2024年は波乱の幕開けとなりました。
元旦、能登半島で大地震が発生し、約1ヶ月が経とうとしています。
この地震による被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
地震被害に加えて、厳しい冬の寒さと大雪も相まって、多くの方々が非常に困難な状況に立ち向かっていることと思います。
被災地の一日でも早い復興を祈っております。
さて、新年の2日には羽田空港での旅客機と海上保安庁の航空機が衝突し、炎上するという悲劇的な事故が発生しました。
この事故により、新年の喜びと希望が一瞬にして打ち砕かれたことでしょう。
同様に、一昨年から始まった日野自動車のエンジン排出ガスのデータ偽造問題や、年末にダイハツで発覚した豊田織機の不正行為など、自動車産業における不正も次々と明るみに出ました。
これらの出来事により、トヨタグループのトップが記者会見を行う事態となりました。
航空業界の安全対策やトヨタのKAIZEN(改善)は、患者安全の分野においても多くの影響を与えており、現場で活用されています。
今回の事故や不正行為は、これらのピットフォールに陥った結果、生じたとも考えられます。
患者安全においても同じピットフォールがあることを忘れないようにすべきです。
どんな手法も完璧ではなく、進む際には疑問を持ち、解決してから前進する姿勢が肝要です。
最後に、ヒトの関与が不可欠であることを忘れてはなりません。
ところで、世の中は生成AIが席巻し、その利便性は大きいものがあります。
しかし、AIの進化と普及に伴い、技術と倫理についての議論が不可欠です。
AIの活用においても、ヒトの判断や倫理が欠かせない要素となります。
システムやツールに依存することなく、ヒトの判断力を活かす努力が重要です。
また、AIが我々の生活に多大な影響を与えている現代において、技術の進歩と倫理のバランスを保つことが重要です。
AIの進化は、医療分野においても大きな変化をもたらしています。
AIを活用した診断や治療支援は非常に有望な分野であり、迅速かつ正確な医療提供に貢献しています。
しかし、その一方で、AIの適切な利用と監視が必要です。
AIはデータに基づいて判断を行いますが、そのデータが偏っていたり、不正確だったりすれば誤った結論に導くこともあります。
さらに、AIの決定が患者の安全や個別の医療ニーズに適合しているかどうかを確認するために、ヒトの医療専門家の介入が不可欠です。
患者安全を第一に考え、AIを補完的なツールとして適切に活用することが、将来の医療の進化に向けた重要なステップです。
このように、どれだけシステムやAIが進化しても最後はヒトが判断する部分はなくならないと思います。
最後に、AIは“技術の進歩は社会に多くの変化をもたらす一方で、その適切な利用と監視も必要です。
未来に向けて、技術と倫理のバランスを保ちながら進んでいくことが重要です。”といっています。
奈良県総合医療センター 安宅一晃