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第25回:電子カルテは変えることができます! ー松村 泰志ー

私は、大学卒業当初は循環器内科医として活動していましたが、阪大病院が移転した際に先進的なシステムを導入する構想が打ち立てられ、私に白羽の矢が立ち、医療情報部の助手となって病院情報システムの構築に携わるようになりました。
それ以来、医療情報の分野の研究者・教育者の立場で活動しておりました。
今は病院の管理者の立場ですが、開発してきた電子カルテについては反省すべきことが多々あり、それを償う活動を継続しています。

阪大病院では、医療情報部門と医療安全部門は兄弟の関係で、私は中島和江先生に医療安全上の様々な課題を教えて頂き、これをシステムで解決させていくことが私の課題となっていました。
当時、電子カルテは、ベンダーと大学病院等の医療情報担当者が組んで開発を競い合い、学会等で品評会をするような雰囲気で盛り上がっていました。
一方、多くの病院で電子カルテが導入されるようになりましたが、その多くが基本機能だけで運用していました。
ベンダーは、私達から言われるがままカスタマイズをしたものの、それが医療現場でどう使われるのかが分からないものですから、自ら進んで他の病院に展開するような動きはされていませんでした。
しかも、病院毎に言うことが少しずつ違い、様々なカスタマイズがされたシステムが出来上がってしまいました。

ある時、厚生労働省の医療安全推進室長の名越さん(当時、現島根医科大学教授)にお声がけ頂き、電子カルテシステムが医療安全に資するものとなるように推進して欲しいと言われました。
この課題は私にとっては得意ではあるのですが、適応すべきは阪大病院ではなく日本の病院に対してです。
カスタマイズして品評会をして喜んでいるようなことでは駄目だと、ようやく気付くこととなりました。
医療安全を担う人達にも入っていただき、電子カルテがどうあるべきかを議論し、コンセンサスを得ながらベンダーに丁寧に説明し、次のパッケージソフトに議論した機能を組み入れるようにお願いし、病院側にも、システムを活用した運用法を伝えるような活動が必要だと考えるようになりました

このコラムを読んでいる人には、是非、電子カルテをあるべき形に変えていくことは、時間がかかるものの可能だということを理解していただき、電子カルテを医療安全に資するものにしていいく活動に参加していただきたいと思います。

 

国立病院機構大阪医療センター院長 松村泰志