医療安全よもやま話
第27回:医療安全における管理栄養士の役割について ー和佐 勝史ー
2024-08-26
2024年5月現在での本学会正会員の職種別構成は、看護師1,305名(42%)、医師846名(27%)、薬剤師295名(9.5%)が主たる職種であり、管理栄養士はわずか5名(0.2%)にすぎない。
私は長年にわたり、大学附属病院で栄養サポートチームの一員として管理栄養士といっしょに臨床栄養に関与してきた経験から、これには違和感がある。
栄養サポートチーム、褥瘡チーム、緩和ケアチーム、嚥下チームなどの多職種連携は多くの医療施設で導入されており、その中で管理栄養士は主要な構成員となっている。
各チームの対象となる患者にとって栄養状態を保つことが治療成績の向上に重要な要素であり、その点において管理栄養士がチームの中心的役割を担うことが共通の認識であるからである。
患者の栄養状態が合併症の発生や治療成績に決定的な影響を及ぼすことには明確なエビデンスがある。
適切な栄養管理がなされず患者の栄養状態が低下すると、筋蛋白の分解が促進され、生体はそこから得られたアミノ酸をエネルギーやタンパク合成に利用しようとする。
この結果、全身の筋肉量は減少し、免疫機能の低下、創傷治癒の障害、臓器機能の低下などに陥る。
特に外科領域では、栄養障害に伴うこれらの合併症を防ぐためにも、術前の栄養状態を保つことは患者安全にとって重要な臨床的課題である。
病院で発生する医療事故の中でも発生頻度の高いものに「転倒・転落」がある。
そのリスク要因の一つとして、筋肉量の減少に伴う筋力の低下が知られており、筋肉量の減少は患者の栄養障害に伴うものである。
筋肉量の減少と筋力の低下を特徴とするサルコペニアの概念が広く浸透し、これが転倒のリスク因子の一つと考えられている。
従って、転倒・転落を防ぐためには、患者の栄養状態を評価(栄養アセスメント)し、栄養障害を認める患者には適切な栄養管理を実施することで筋肉量を回復させることが、転倒・転落の発生頻度を低下させ、医療安全につながる。
栄養評価は管理栄養士の主たる業務の一つである。
そのリスク要因の一つとして、筋肉量の減少に伴う筋力の低下が知られており、筋肉量の減少は患者の栄養障害に伴うものである。
筋肉量の減少と筋力の低下を特徴とするサルコペニアの概念が広く浸透し、これが転倒のリスク因子の一つと考えられている。
従って、転倒・転落を防ぐためには、患者の栄養状態を評価(栄養アセスメント)し、栄養障害を認める患者には適切な栄養管理を実施することで筋肉量を回復させることが、転倒・転落の発生頻度を低下させ、医療安全につながる。
栄養評価は管理栄養士の主たる業務の一つである。
今後、本学会での管理栄養士の会員数を増やす努力が必要ではないだろうか。
滋慶医療科学大学大学院 和佐 勝史