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第42回:業務改善という「沼」からの脱却、品質管理手法を学んで ー畔柳 信吾ー

企業などで行われる研修や教育プログラムの効果を測定する方法に、カークパトリックの4段階評価が用いられます。
このカークパトリックの4段階評価は1975年アメリカで提唱された評価・測定方法のモデルです。
日本にも広く普及し、研修の効果測定に用いている企業も少なくありません。
これは研修の効果をレベル1~4で表します。
レベル1反応:研修を受講者の満足度で評価します。
受講後のアンケート調査などがこれにあたります。
レベル2学習:受講者の理解度で評価します。
受講後のテストやレポートで研修の効果測定を行います。
レベル3行動:受講者の行動変容で評価します。
学んだことを現場で活用できているか、行動変容出来ているかで研修の効果測定を行います。
レベル4成果:学んだことが現場で活かされ、実際の問題が解決したかどうかを評価します。
売り上げが上がった、不具合(ミス等)が減少したなどのアウトカムです。

さて、私は数年前に産業界における品質管理手法を学び、患者安全における問題解決に日々活用しています。
医療安全業務を行う中で、改善しなければならない事柄(不具合)が起きると、目標(あるべき姿)を決めて現状を把握する。
原因を見いだし対策立案・実施、そして評価を行います。
私はこの品質管理手法を学ぶ前に落ち入っていた「沼」があります。
それはカークパトリックで言うところのレベル3です。
スタッフの行動(業務等)に着目し、そこを改善することを目標・評価に挙げていました。
しかし本来、目標とするところはレベル4の患者さんのアウトカムの向上であり、行動(業務等)の改善はプロセスにすぎません。
このように最初の目標を見誤ると効果の無い対策に力を注いだり、悪い結果が起こらなかったのは偶然だったことに後から気付いたり、問題解決にいたらないこともしばしば。
そんなときに私が立ち返る一冊がこの書籍です。

「やさしいQC手法演習 QC七つ道具」細谷克也.日科技連出版社,2012 
患者安全における問題解決を行うとき、この本を参考に品質管理手法を試してみてください。

碧南市民病院 医療安全管理室 
畔柳信吾