医療安全よもやま話
第44回:安全を共に紡ぐ ー近本 亮ー
2026-04-24
「医療安全が許可したから…」や「医療安全がダメと言ったから…」という言葉が、不意に耳に入ることがあります。
こうした発言は、医療安全に対する理解が決して十分ではないことを示唆しているように感じます。
こうした発言は、医療安全に対する理解が決して十分ではないことを示唆しているように感じます。
私が医療安全の世界に身を投じたのは、医療事故調査制度が始まった2015年のことでした。
それ以前、当院の安全管理は副病院長と看護師2名のGRMによって行われていましたが、看護師GRMは医師との対話においてしばしば精神的な辛さを感じていたと聞いています。
私が安全管理専従医師として着任してからは、医師とのコミュニケーションを私が共に担うことで、看護師GRMの負担を軽減することができたようです。
その結果、医師や看護師、技術職員、事務職からの相談も増え、私にとっては大変ありがたい状況となりました。
しかし、時が経つにつれ、「許可を与える立場」として私が認識されるようになり、私は次第に違和感を覚え始めました。
それ以前、当院の安全管理は副病院長と看護師2名のGRMによって行われていましたが、看護師GRMは医師との対話においてしばしば精神的な辛さを感じていたと聞いています。
私が安全管理専従医師として着任してからは、医師とのコミュニケーションを私が共に担うことで、看護師GRMの負担を軽減することができたようです。
その結果、医師や看護師、技術職員、事務職からの相談も増え、私にとっては大変ありがたい状況となりました。
しかし、時が経つにつれ、「許可を与える立場」として私が認識されるようになり、私は次第に違和感を覚え始めました。
私たち安全管理者の役割は、病院長から権限を委譲され、情報収集や体制整備、環境整備を行うことにあります。
しかし、それはあくまで全体を見据えた行動であり、個別のケースについての許可・不許可を決定することではありません。
医療安全管理者の業務には、院内のルール整備やモニタリングといった重要なミッションが含まれていますが、何よりも大切なのは、安全に対する考え方を広め、院内全体に浸透させることだと考えています。
厚生労働省からの安全管理者業務指針にも、医療安全文化の醸成が強調されています。
治療方針についての判断に迷う際、安全管理者は懸念を現場に伝え、関係者が多角的に検討し合意形成を図ることが求められます。
私たちの提案も重要ですが、チームがそれを単に受け入れるだけでは、自立した安全意識の高いチームには育ちません。
医療現場ではさまざまな場面で難しい意思決定が求められるため、迅速に医療を提供するには、現場主導で意思決定を行うことが欠かせません。
そのためには、チームが一つ一つの意思決定過程やその結果を振り返り、チームとして成熟しながら次の世代に知恵を引き継いでいくことが必要です。
しかし、それはあくまで全体を見据えた行動であり、個別のケースについての許可・不許可を決定することではありません。
医療安全管理者の業務には、院内のルール整備やモニタリングといった重要なミッションが含まれていますが、何よりも大切なのは、安全に対する考え方を広め、院内全体に浸透させることだと考えています。
厚生労働省からの安全管理者業務指針にも、医療安全文化の醸成が強調されています。
治療方針についての判断に迷う際、安全管理者は懸念を現場に伝え、関係者が多角的に検討し合意形成を図ることが求められます。
私たちの提案も重要ですが、チームがそれを単に受け入れるだけでは、自立した安全意識の高いチームには育ちません。
医療現場ではさまざまな場面で難しい意思決定が求められるため、迅速に医療を提供するには、現場主導で意思決定を行うことが欠かせません。
そのためには、チームが一つ一つの意思決定過程やその結果を振り返り、チームとして成熟しながら次の世代に知恵を引き継いでいくことが必要です。
このプロセスの先にこそ、成熟した安全文化の醸成があるのだと思います。
私たち安全管理者は「安全の番人」ではなく、患者を目の前に持つ現場のチームが多面的に検討し、合意を形成できるよう支援する存在です。
そのために、私たちができることは、謙虚な姿勢を忘れず、現場の皆さんと共に問題に向き合い、共に悩むことだと思います。
「医療安全が許可したから…」という言葉が聞こえなくなる日が来るまで、一緒に頑張りましょう。
患者さんと私たち医療者が手を携えてより安全な医療を築いていく未来を信じて。
そのために、私たちができることは、謙虚な姿勢を忘れず、現場の皆さんと共に問題に向き合い、共に悩むことだと思います。
「医療安全が許可したから…」という言葉が聞こえなくなる日が来るまで、一緒に頑張りましょう。
患者さんと私たち医療者が手を携えてより安全な医療を築いていく未来を信じて。
熊本大学病院 副病院長
近本 亮