医療安全よもやま話
第41回:医療安全の教訓を未来へつなぐ ー森脇 睦子ー
2026-01-30
私は現在、病院における医療の質の可視化に関する分析や医療の質評価に関するデータベース研究を行っています。
医療安全に関わる最初の仕事は、日本医療機能評価機構での医療事故情報収集等事業で、入職後すぐに医療安全情報の立ち上げを担当したことでした。
この経験は、私自身の医療安全に関する礎となっています。
医療安全に関わる最初の仕事は、日本医療機能評価機構での医療事故情報収集等事業で、入職後すぐに医療安全情報の立ち上げを担当したことでした。
この経験は、私自身の医療安全に関する礎となっています。
それから10年以上が経ち、医療安全における有害事象には「変わっていくもの」と「変わらず続くもの」があることを強く感じています。
例えば、人工呼吸器の呼気・吸気回路の取り違えは今も報告されていますが、逆接続防止構造の機器が登場するなど、デバイス側の対策が進んでいます。
古い機材が更新されていけば、いずれこの種の取り違えは減少するのではないかと期待しています。
例えば、人工呼吸器の呼気・吸気回路の取り違えは今も報告されていますが、逆接続防止構造の機器が登場するなど、デバイス側の対策が進んでいます。
古い機材が更新されていけば、いずれこの種の取り違えは減少するのではないかと期待しています。
一方で、時代が変わっても繰り返される事案もあります。
かつてインスリンは40単位/mL製剤が主流で、倍量投与のインシデントが多発していました。
そのため100単位/mLに規格が統一され、2004年には40単位/mL製剤が薬価から削除されましたが、それでも倍量投与の事案は現在も報告されています。
また、1999年に発生した患者取り違えによる予定外手術の事案は医療界に大きな衝撃を与え、複数情報での患者確認、識別タグやバーコード認証、覚醒状態での手術室入室など、多くの安全対策が導入される契機となりました。
しかしながら、取り違えも今もなお一定数発生しています。
かつてインスリンは40単位/mL製剤が主流で、倍量投与のインシデントが多発していました。
そのため100単位/mLに規格が統一され、2004年には40単位/mL製剤が薬価から削除されましたが、それでも倍量投与の事案は現在も報告されています。
また、1999年に発生した患者取り違えによる予定外手術の事案は医療界に大きな衝撃を与え、複数情報での患者確認、識別タグやバーコード認証、覚醒状態での手術室入室など、多くの安全対策が導入される契機となりました。
しかしながら、取り違えも今もなお一定数発生しています。
このように、医療現場では過去の有害事象やヒヤリ・ハットをもとに数多くの安全対策が積み重ねられ、確実に安全性は向上してきました。
将来はさらに安全になると期待する一方、技術革新の進展により新たな種類の事案が生じる可能性もあります。
AIの活用に起因する左右取り違えや薬剤量の誤りなども、その一例として想像できます。
将来はさらに安全になると期待する一方、技術革新の進展により新たな種類の事案が生じる可能性もあります。
AIの活用に起因する左右取り違えや薬剤量の誤りなども、その一例として想像できます。
しかし、どの対策にも「同じことを繰り返さない」という願いと、過去の教訓が込められています。
今では、医療安全対策が国を挙げて推進される契機となった2000年前後に特定機能病院等の大病院で発生した重大事故を知らない世代も医療現場に増えてきました。
だからこそ、これまで積み重ねられてきた歴史的背景や教訓を若い世代に伝え、医療安全の重要性を未来へつないでいくことが、当時のことを知る世代の役割なのかもしれないと思っています。
今では、医療安全対策が国を挙げて推進される契機となった2000年前後に特定機能病院等の大病院で発生した重大事故を知らない世代も医療現場に増えてきました。
だからこそ、これまで積み重ねられてきた歴史的背景や教訓を若い世代に伝え、医療安全の重要性を未来へつないでいくことが、当時のことを知る世代の役割なのかもしれないと思っています。
2026年度の当学会のメインテーマは「経験の継承と科学的探求 ~さらなる高みを目指して~」です。
医療安全が政策的にも、また医療機関の体制としても大きな変革を遂げたのは2000年以降であり、すでに四半世紀以上が経過しました。
この節目を機に、医療安全の歴史的背景とそこから得られた教訓を改めて振り返り、学び直すとともに、若い世代へと確実に伝えていきたいと考えています。
医療安全が政策的にも、また医療機関の体制としても大きな変革を遂げたのは2000年以降であり、すでに四半世紀以上が経過しました。
この節目を機に、医療安全の歴史的背景とそこから得られた教訓を改めて振り返り、学び直すとともに、若い世代へと確実に伝えていきたいと考えています。
東京科学大学 医療本部
クオリティ・マネジメント・センター
森脇睦子