医療安全よもやま話
第47回:最近気になった言葉―「対話」についてー ー谷口 雄司ー
2026-07-24
鳥取県医師会から、医師を対象とした医療安全の講演を依頼されました。
私は迷わず「医療安全を支えるコミュニケーション〜対話・リーダーシップ・心理的安全性〜」というタイトルでお話しすることに決めました。
というのも、最近、コミュニケーション、特に「対話」について考えることが多かったからです。
昨年の中国四国厚生局主催 医療安全ワークショップは、京都大学の松村由美先生を講師としてお招きして開催されました。
テーマは「安全文化の醸成:職員の意識を高めるための対話の方法を学ぶ」で、そのファシリテータとして参加する機会をいただきました。
テーマは「安全文化の醸成:職員の意識を高めるための対話の方法を学ぶ」で、そのファシリテータとして参加する機会をいただきました。
ワークショップの中で、松村先生より「会話と対話の違いは?」という問いかけがありました。
私は、「“一方的な会話”とは言いますが、“一方的な対話”とは言わないので、そこに違いがあるように思います」と答えましたが、明確な回答が浮かんだわけではありませんでした。
私は、「“一方的な会話”とは言いますが、“一方的な対話”とは言わないので、そこに違いがあるように思います」と答えましたが、明確な回答が浮かんだわけではありませんでした。
ただ、ワークショップを通じて、漠然とではありますが、「対話」とは「相手を理解しようとする営み」ではないか、と考えるようになり、以来、「対話」について意識する様になりました。
その後、「対話」を意識してみると、日々の診療や医療安全活動の中で「対話」について考える場面が実に多いことに気付きました。
・当院の医療安全必須研修「アドバンス・ケア・プランニング」
・今年度(今年の12月に開催)の日本手術学会総会のテーマ“チームが輝く「専門性」と「対和力」!”(注:「対和力」は造語です)
・第14回日本医療安全学会での「コミュニケーションは、相手に“伝えたか”ではなく、“伝わったか”」という発表
その他にも、倫理的検討、インシデント対応、リーダーシップ、心理的安全性など、日々、医療安全として関わっていることの多くが、実は「対話」を中心としたコミュニケーションが関わっていることに気づきました。
講演のスライドを作りながら、もうひとつ気づいたことがあります。
医療安全に特有のスキル(特にノンテクニカルスキル)は、決して特殊なものではありません。
むしろ、日々の人と人との営みを可視化・形式化したもので、その根幹には、「対話」を中心としたコミュニケーションがあるように思いました。
むしろ、日々の人と人との営みを可視化・形式化したもので、その根幹には、「対話」を中心としたコミュニケーションがあるように思いました。
医療安全とは、新しいことを始めるのではなく、日常のコミュニケーションを見つめ直すことなのかもしれません。
皆さんにも医療安全だけでなく、何気ない日常においても、「対話」を意識していただけたら、と思います。
私の「よもやま話」、皆さんに“伝わった”でしょうか?
- 鳥取大学医学部附属病院 医療安全管理部
谷口雄司